下顎枝矢状分割術
顎変形症に対する顎矯正手術とは、上顎や下顎の骨を手術によって移動(骨切り術と呼びます)することによって咬み合わせと容貌を正しく整える治療と言えます。
手術は全身麻酔下で行い、原則として口の中から行います。よってお顔に手術痕が残ることはありません。
顎矯正手術は、主に以下の方法で行われます。
下顎の骨切り

a.下顎枝矢状分割術
両側の下顎枝(下顎の歯の生えている部分より後ろの部分)を内外側に分割して、歯が植立している部分の骨を移動し、金属プレートなどで固定する方法です。下顎移動後の両骨片の接触面積が大きいため、骨癒合が早く行われ、後戻りが少なく、移動量、移動方向の許容範囲が大きいのが特徴です。一方で、術後の下唇の知覚は一過性に鈍麻することがあります。
骨固定用プレート除去手術:
一般に骨が癒合するまでの期間は下顎骨で4~6週、上顎骨で6~8週とされています。したがって骨片固定期間はそれを上回る期間が必要です。骨を固定したミニプレートは通常、下顎では術後6ヶ月、上顎では術後1年を経過したところで抜去します。この場合も、入院、全身麻酔での手術が必要です。
※プレートの抜去をしない方もいます。