上顎前突・出っ歯について

上あごの前歯が下顎の歯より大きく前に出て並んでいる状態が出っ歯です。噛みずれていることが多く、さらに上あごが前へ出ていたり、下あごが引っ込んでいる状況を上顎前突と言います。矯正学的には、骨格性と歯槽性、その両方の上顎前突があります。見た目が気になる、かみ合わせが悪い、活舌が悪いことを主訴にご相談を受けます。

 

上顎前突の原因

上あごに歯が収まりきらない場合には、前歯は凸凹だけでなく前に飛び出すように傾斜しながら生えてきます。また、上あごが大きい場合や上あごに比べて下あごが小さい場合には、前歯が大きく前後にすれ違ってしまいます。あごの骨や歯の大きさが主な原因と考えられますが、指しゃぶりや舌習癖、口呼吸、鼻閉なども大きく影響すると言われています。

 

上顎前突の矯正治療

上顎前突(出っ歯)

上顎前突は乳歯が生え変わり始める7-8歳以降から上顎の前歯4本が永久歯に生え変わった頃にはっきりとわかってきます。もし顎の骨の大きさに問題がある場合には、この段階で治療を開始することが多いでしょう。
歯並びの治療として、上顎の成長が大きいために下顎とのバランスが悪くなる場合には、上顎の成長を抑制することを行います。また、逆に下顎が小さい可能性がある場合などでは下顎の成長を促進する装置を用いて骨格のアンバランスを改善していきます。

 

出っ歯を気にして来院した男性青年。矯正治療の前後比較で咬合はよくなりました。

 

上顎前突は、前歯が前方へ突出しているため、口元が尖ってみえたり、口が閉じにくいことがあります。唇の閉鎖が困難な状況を口唇閉鎖不全と言いますが、この状態が続くと、ぽかっと口が開いているために、人に与えるご本人のイメージを悪くするだけでなく、口中が乾燥し虫歯や歯周病、口臭の可能性が高まります。さらに呼吸、発音、嚥下にも問題を起こすと言われています。

 

出っ歯を気にして来院した男性青年。矯正治療の前後比較で口元の突出もなくなり、顔が良くなりました。

 

主訴:前歯が出ている。歯がデコボコしている。

治療開始時年齢:16歳 マルチブラケット装置と上顎にアンカースクリューを用い、上下顎両側第一小臼歯を抜歯して矯正治療を行った。動的治療期間:約2年間 装置を撤去し保定へ、保定期間は約2年。歯並びと口元の突出感は改善した。治療費は、80万円。

 

 

 矯正治療に伴うリスクと副作用

装置が付いている治療中は、歯が磨きにくくなります。むし歯のリスクが高まります ので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなる可能性があります。 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。

前歯の突出(抜く?・抜かない?)

【歯を抜いて治すケース】

 

前歯が大きく突出していて、かつ、顎が小さい場合には、歯を抜くことで前歯を引っ込めるスペースを作り、歯を移動させることで隙間を閉じて歯並びを美しく整えるとともに適切な咬み合わをつくります。

 

出っ歯と歯の凸凹を気にして来院した女性。矯正治療の前後比較で咬合はよくなりました。
出っ歯と歯の凸凹、口ゴボを気にして来院した女性。矯正治療の前後比較で口元の出っ張りもなくなり顔がよくなりました。

 

主訴:口元の突出。前歯が出ている。かみ合わせが悪い

治療開始時年齢:26歳 マルチブラケット装置を用い、上顎両側第一小臼歯、下顎両側第二小臼歯を抜歯して矯正治療を行った。動的治療期間:約2年 2年間マルチブラケット装置を装着して治療を行った。装置を撤去し保定へ、保定期間は約2年。治療費は、80万円。

 

 

前歯の出っ歯と歯並びを治したい女性。矯正治療の前後比較で咬合はよくなりました。
出っ歯と歯の凸凹を治したい女性の矯正治療の前後比較です。口元の突出感はなくなり顔はよくなりました。

 

主訴:前歯がガタガタで出っ張っている。

治療開始時年齢:20歳 マルチブラケット装置を用い、上顎両側第一小臼歯を抜歯して矯正治療を行った。動的治療期間:約2年 2年間マルチブラケット装置を装着して治療を行った。装置を撤去し保定へ、保定期間は約2年。治療費は、80万円。

 

 

【歯を抜かないで治すケース】


前歯が大きく突出していても、装置を用いて上顎の出っ張っている前歯から奥歯までを後ろの方へ移動させたり、下顎の成長を促し上顎とのバランスを良くすることで、ご自分の永久歯を一本も抜くことなく著しい出っ歯と上下の前歯の咬み込みを改善させることができます。

 

著しい出っ歯を奥歯を後ろに移動させて矯正治療を行った子供の口の中。

主訴:口元の突出。前歯が出ている。かみ合わせが悪い。

治療開始時年齢:10歳 ヘッドギアを用いて上顎歯列を後方へずらした後にマルチブラケット装置を用いて矯正治療を行った。動的治療期間:4年内、最初の1年は永久歯の健全な萌出と上顎歯列の後方移動、被蓋の改善を目的にヘッドギアと床矯正装置を用いた。永久歯の生え変わりの後に1.5年間マルチブラケット装置を装着して治療を行った。装置を撤去し保定へ、保定期間は約2年。治療費は、80万円。

 

※矯正治療に伴うリスクとして歯根吸収、知覚過敏、治療中に顎関節症状が出ることがあり ます。

 

 

 

過蓋咬合について

歯をぬかないで過蓋咬合を治す。アンカースクリューを用いて歯列を後方移動しています。

下顎前歯がしっかりみえるようになり、歯がバランスよく咬み合うことは、印象として美しさを与え、健康面では様々な病気に対する予防に効果があります。


過蓋咬合の治療例。アンカースクリューを用いて歯を抜かないでかみ合わせを改善した。下あごの前歯が良く見えるようになった。

主訴:下の前歯が見えない。かみ合わせが悪いので治したい。

治療開始時年齢:38歳 マルチブラケット装置と上顎に矯正用アンカースクリューを用い、上顎歯列を後上方に引き上げる動的矯正治療を行った。動的治療期間:約2年 2年間マルチブラケット装置を装着して治療を行った。装置を撤去し保定へ、保定期間は約2年。治療費は、80万円。

 

 矯正治療に伴うリスクと副作用

装置が付いている治療中は、歯が磨きにくくなります。むし歯のリスクが高まります ので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなる可能性があります。 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。

 

 

過蓋咬合、ガミーの解消

 

ガミーや過蓋咬合の改善は、上顎歯列を後上方に牽引することで達成されます。

 

 

ミーや過蓋咬合の改善は、上顎歯列を後上方に牽引することで達成できます。

 

上図は、マルチブラケットとアンカースクリューを用いた治療です。

口元の改善が顕著です。抜歯なしで達成されています。

治療期間は、およそ1.5年

 

 

下顎が小さい(下顎後退、上顎前突)

こどもの場合、骨格性の要因が強く疑われる際は成長予測を行い早期矯正歯科治療として、被蓋と咬み合わせを治すこと、上顎の成長抑制、下顎の成長促進を行うことで正しい機能を獲得します。その後成長の観察を行いながら歯の生え変わりを観察します。


成長が終了する時期(中学生頃)に、こどもの問題を見極めて最終的な治療を判断します。顎の不正が著しく大きく外科的矯正治療の必要性がある顎変形症と判断される場合には、外科的矯正治療を開始します。


顎変形症(骨格性上顎前突/下顎後退)

 

著しい出っ歯、前歯が咬み合わない方は、下あご自体が特に小さいことによって悪い歯並び・咬み合わせの原因になることがあります。

 

顎変形症:上顎前突、下顎後退、著しい前歯の突出例。骨切りと矯正治療で改善。

(上顎前突、下顎後退、出っ歯、下顎小臼歯欠損)

 

健康保険の適用による外科的矯正治療:

マルチブラケット装置とアンカースクリューを用いて上顎歯列の上後方移動を行った。

上顎 前歯部歯槽骨切り 下顎 SSRO

動的矯正治療は2.5年、保定管理期間は2年。