顎矯正手術を受けられる病院について

 

顎変形症の治療では、矯正歯科だけではなく骨切り手術をお受けになる病院の診査、診断が必須となります。

 

診断後、術前矯正治療が開始されますが、治療中に便宜抜歯などを行うことがあります。

 

手術前:

手術のため入院が必要です。また、術前検査が必要となるため入院前に手術を行う施設へ通院する必要があります。

 

◆ 病院で行うこと ◆

(下記は1例で、施設・症例・症状によって方法、量や回数、期間など大きく異なります。)

 

①自己血採血

手術時の出血の際に他人の血液を入れないようにするため、あらかじめご自身の血液を貯血します。基本的に下顎あるいは上顎骨単独の手術では800 ml、上下顎骨の手術では1200 ml貯血します。貯血は1回400 mlを原則とし、手術日からさかのぼって1週間に1度(毎週水曜日の午後)行います。貯血の2週間前から、採血によって生じる血基礎色素の減少に備えて、鉄剤とビタミン剤を内服していただきます。また、赤血球増加因子を注射する必要が生じる場合があります。事前に貧血がある場合や、体重が少ない場合(40 kg以下)には、一回に400 mlの貯血が出来ないため、採血のスケジュールを変更する場合があります。

 

②手術前日までの処置

咬み合わせの最終的な確認や、手術で用いる装置の作製を行います。また、顎骨の3次元的な形態を評価するために、CT検査などを行います。

 

③手術当日

手術室に行く前に、朝から血管確保のために点滴を行います。手術は経鼻挿管による全身麻酔で行われます。顎間固定された状態で麻酔から覚醒するため、術後の呼吸管理が重要となります。術後は一般病室ではなく、外科系HCUに帰室し1~3日間呼吸管理を行います。特に上下顎骨切り術後の場合は、咽頭部の術後腫脹が著しくなる場合がありますので、挿管チューブは抜去せず、翌日まで留置し、気道を確保します。

 

④顎間固定

通常は、ゴムを用い術後1週間以上の顎間固定を行う施設が多いようです。しかし、当院患者さんは入院中であっても極力固定を行わないように配慮していただいています。

 

⑤術後の咬合管理

顎間固定除去後は、病院のドクターが咬合の管理を行います。術後1週間程度で退院となります。

 

⑥骨固定用ミニプレートの除去

一般に骨が癒合するまでの期間は下顎骨で4~6週、上顎骨で6~8週とされています。したがって骨片固定期間はそれを上回る期間が必要です。骨を固定したミニプレートは通常、下顎では術後6ヶ月、上顎では術後1年を経過したところで抜去します。従って、当院では手術後1年経過時に抜釘処置を受けられる方が多いようです。この場合も、入院、全身麻酔での手術が必要です。入院は2-3日と短期です。オトガイ形成手術を同時に受けられることもあります。