こどもの開咬・開口の治療

前歯の開咬(オープンバイト)、永久歯の萌出余地がないと予測されるこどもの顔と口の中です。

 

Case 開咬、凸凹

 

前歯の開咬です。初診時8歳の女の子。前歯の萌出を促すため乳歯を抜いて経過観察。

 

開咬の原因は、指しゃぶりなどの悪習癖、タングスラスト(舌の突出癖)なので、矯正治療は習癖の除去、装置は口の中に柵をするタングクリブと教科書には書いてあります。

 

しかし、本当か?日々の診察で疑問がわき、東大に勤務していたころにこれは違うのではないか、ほとんどが当てはまらないのではないかと思うようになりました。実際、患児の乳歯を診査のもとで戦略的に抜歯すると、前歯は自分で正しい方向に向きを変えてみるみる萌出してきます。重なっていた歯も自然と並ぶこともあります。これは昔からの矯正治療法の一つで、連続抜歯と言われるものの応用です。

 

タングクリブや床装置、舌のトレーニングなどはオープンバイトの治療のすべてに当てはまるものではなく、むしろ一部と思われます。

 

 

計画的に乳犬歯を抜歯して経過観察を行い開咬が解消された口の中。

 

Case 開咬、凸凹

 

初診時9歳。開咬で前歯は重なって生えてきています。あごが小さめであることがわかります。 

 

上顎前突、前歯の出っ歯と開咬のこどもの口の中。

 

前歯の萌出を促すため乳歯を抜いて経過観察をしています。前歯は咬み合うようになり、重なって生えてきた前歯は自然に並んで来ているのがわかります。

 

乳犬歯の抜歯を計画的に行い経過観察中の口の中。開咬(オープンバイト)は解消し前歯でよく噛めるようになった

 

開咬、受け口や出っ歯、歯の凸凹など歯並びについて早い年齢で矯正医に相談されることは、お子さんにとって治療期間と費用を最小に、そして治療効果を最大にする大きなメリットがあります。実際には、その場ですぐ治療を行うのではなく、最適な治療時期や、いつ、どのような治療を受ければ良いかなど正しい情報をえる機会になります。

 

「こどもはいつ受診(初診相談)すれば良いのか?」とお父さん・お母さんから訊かれることがよくあります。これは「受診すること」イコール「矯正歯科治療を開始すること」と思われているためではないかと考えます。しかし、決してそうではありません。治療開始のタイミングは、歯並びの状態や成長発育の段階などを含めて総合的に判断します。つまり、不正咬合に気づいたら、一度相談されてみて、その上で治療開始のタイミングが早いようであれば、矯正医とともに観察を続けながら治療開始の最良の時期を待つことをすすめます。矯正医の管理のもとで定期的に観察を行うことは、お子さんの成長変化を把握する上での貴重なデータとなります。 

「相談する時期は?」歯並びの相談を受けられる時期をあえて言うなら、小学1・2年生が一つの目安かと思います。1年生になったら、「矯正は必要なの?」「いつ始めればよいの?」と相談していただくことをお勧めします。

 

治療は、お子さんの小さい時期に開始されれば、早ければ早いほうがよい、と言うわけではありません。しかし、適切な時期に治療を開始した結果、成長が終了してからでは治しにくいものがきちっと治るということがあります。たとえば、歯を抜かずに治せたり、歯を抜く場合でも本数を減らす、あごの成長をコントロールすることで手術を必要とする治療の可能性を減らす場合があります。