上顎前突・出っ歯の矯正
上顎前突の矯正治療
■上顎前突(出っ歯)
上顎前突は乳歯が生え変わり始める7-8歳以降から上顎の前歯4本が永久歯に生え変わった頃にはっきりとわかってきます。もし顎の骨の大きさに問題がある場合には、この段階で治療を開始することが多いでしょう。
歯並びの治療として、上顎の成長が大きいために下顎とのバランスが悪くなる場合には、上顎の成長を抑制することを行います。また、逆に下顎が小さい可能性がある場合などでは下顎の成長を促進する装置を用いて骨格のアンバランスを改善していきます。
上顎前突は、前歯が前方へ突出しているため、口元が尖ってみえたり、口が閉じにくいことがあります。唇の閉鎖が困難な状況を口唇閉鎖不全と言いますが、この状態が続くと、ぽかっと口が開いているために、人に与えるご本人のイメージを悪くするだけでなく、口中が乾燥し虫歯や歯周病、口臭の可能性が高まります。さらに呼吸、発音、嚥下にも問題を起こすと言われています。
主訴:前歯が出ている。歯がデコボコしている。
治療開始時年齢:16歳 マルチブラケット装置と上顎にアンカースクリューを用い、上下顎両側第一小臼歯を抜歯して矯正治療を行った。動的治療期間:約2年間 装置を撤去し保定へ、保定期間は約2年。歯並びと口元の突出感は改善した。治療費は、80万円。
矯正治療に伴うリスクと副作用
装置が付いている治療中は、歯が磨きにくくなります。むし歯のリスクが高まります ので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなる可能性があります。 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
前歯の突出(抜く?・抜かない?)
【歯を抜いて治すケース】
前歯が大きく突出していて、かつ、顎が小さい場合には、歯を抜くことで前歯を引っ込めるスペースを作り、歯を移動させることで隙間を閉じて歯並びを美しく整えるとともに適切な咬み合わをつくります。
主訴:口元の突出。前歯が出ている。かみ合わせが悪い。
治療開始時年齢:26歳 マルチブラケット装置を用い、上顎両側第一小臼歯、下顎両側第二小臼歯を抜歯して矯正治療を行った。動的治療期間:約2年 2年間マルチブラケット装置を装着して治療を行った。装置を撤去し保定へ、保定期間は約2年。治療費は、80万円。
主訴:前歯がガタガタで出っ張っている。
治療開始時年齢:20歳 マルチブラケット装置を用い、上顎両側第一小臼歯を抜歯して矯正治療を行った。動的治療期間:約2年 2年間マルチブラケット装置を装着して治療を行った。装置を撤去し保定へ、保定期間は約2年。治療費は、80万円。
【歯を抜かないで治すケース】
前歯が大きく突出していても、装置を用いて上顎の出っ張っている前歯から奥歯までを後ろの方へ移動させたり、下顎の成長を促し上顎とのバランスを良くすることで、ご自分の永久歯を一本も抜くことなく著しい出っ歯と上下の前歯の咬み込みを改善させることができます。
主訴:口元の突出。前歯が出ている。かみ合わせが悪い。
治療開始時年齢:10歳 ヘッドギアを用いて上顎歯列を後方へずらした後にマルチブラケット装置を用いて矯正治療を行った。動的治療期間:4年内、最初の1年は永久歯の健全な萌出と上顎歯列の後方移動、被蓋の改善を目的にヘッドギアと床矯正装置を用いた。永久歯の生え変わりの後に1.5年間マルチブラケット装置を装着して治療を行った。装置を撤去し保定へ、保定期間は約2年。治療費は、80万円。
※矯正治療に伴うリスクとして歯根吸収、知覚過敏、治療中に顎関節症状が出ることがあり ます。
過蓋咬合について
咬み合わせの悪い人と正しい咬み合わせの人を20年にわたって比較した研究では、歯周病は出っ歯や反対咬合と関連して特に上あごで頻繁に認められたそうです。(下あごではそれほどの傾向はありませんでした。)また、咬み合わせは、歯のでこぼこよりも、出っ歯や過蓋咬合(上あごの前歯が下あごの前歯を隠すように深く咬みこむ)が歯周病の要因となりやすいことがわかりました。歯周病は、歯をもっとも失う可能性の高い病気です。歯並びの治療(矯正歯科治療)は、見た目の改善だけでなく歯周病の予防にも効果があります。歯のでこぼこや出っ歯、受け口の方の治療相談はよくお受けしますが、過蓋咬合は歯並びの不正として自覚されていないことが多いように思います。過蓋咬合の方は一度矯正歯科治療の相談を受けられてはいかがでしょうか。
下顎前歯がしっかりみえるようになり、歯がバランスよく咬み合うことは、印象として美しさを与え、健康面では様々な病気に対する予防に効果があります。
主訴:下の前歯が見えない。かみ合わせが悪いので治したい。
治療開始時年齢:38歳 マルチブラケット装置と上顎に矯正用アンカースクリューを用い、上顎歯列を後上方に引き上げる動的矯正治療を行った。動的治療期間:約2年 2年間マルチブラケット装置を装着して治療を行った。装置を撤去し保定へ、保定期間は約2年。治療費は、80万円。
矯正治療に伴うリスクと副作用
装置が付いている治療中は、歯が磨きにくくなります。むし歯のリスクが高まります ので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなる可能性があります。 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
顎変形症(骨格性上顎前突/下顎後退)
こどもの場合、骨格性の要因が強く疑われる際は成長予測を行い早期矯正歯科治療として、被蓋と咬み合わせを治すこと、上顎の成長抑制、下顎の成長促進を行うことで正しい機能を獲得します。その後成長の観察を行いながら歯の生え変わりを観察します。
成長が終了する時期(中学生頃)に、こどもの問題を見極めて最終的な治療を判断します。顎の不正が著しく大きく外科的矯正治療の必要性がある顎変形症と判断される場合には、外科的矯正治療を開始します。
顎変形症治療のご相談
当院での初診相談において、「小さい頃に出っ歯の矯正治療を したけれども治っていない。」「中学生で矯正終了後、だんだんと歯並びが悪くなり前歯で咬めなくなった。下あごが小さくなった。」と訴え来院される顎変形症の方が多くいます。顎矯正治療を行うにあたり、以前の矯正治療(出っ歯の治療のため歯を抜いて治療をすすめた結果、歯が大きく傾いている、歯を大きく動かした結果、あごから歯がはみだし、歯茎が大きく下がった、など)が問題となります。
特に、矯正歯科医でも判断がつかないことが多くある成長の問題をかかえる方の矯正歯科治療は、外科矯正の経験が豊富な医師の診察を受けられるのが望ましいと思います。
上顎前突の治療費
矯正歯科治療は顎変形症や口唇口蓋裂、一部の先天異常を有する方以外は健康保険が適用できない自由診療となっています。当院では以下の治療費を頂いております。
治療費
初診相談料 3,000円
まずはご相談ください!およそ30分です。
精密検査・診断料 50,000円
矯正装置料 60,000円 (部分矯正)~
900,000円 (上下歯列裏側矯正)
調節料・観察料は装置により異なります。
* 当院では相談時におおよその治療費の総額をお見積りします。
* 費用は分割払い、カード払いも可能です。
* 二度目以降のご相談、セカンドオピニオンの場合は上記初診相談料とは異なります。
治療費例
(H24年度実績)※現在とは異なります
- 目立ちにくい審美(表側)ブラケット矯正のほとんどの方の治療費は、最初から最後までの総額で75万円ほどです。
-
ほとんど見えない裏側矯正では、総額95万円ほどでした。
(消費税が別途かかります) - 矯正費用は利子の付かない分割払いが可能です。ご相談ください。
当院では、歯を動かす治療はできるかぎり短く、きれいな歯並びは永く保たれるように、安心サポートとして装置を外してからの管理期間は長めにとるようにしています。
《成人:前歯のでこぼこ、出っ歯の場合》
初診相談料 1,500円
精密検査・診断料 35,000円
矯正装置料 600,000円
(審美ブラケットによる動的矯正治療)
調節料・観察料
5,000円 x20回 3,000円x4回
歯を動かす治療2年+保定管理も含めて
総額 748,500円
《こども:9歳 前歯の突出、下顎前歯の凸凹予測される場合》
1期、2期ともに必要となる難ケース
初診相談料 1,500円
精密検査・診断料 35,000円
(審美ブラケットによる動的矯正治療)
矯正装置料 Ⅰ期 400,000円
(前歯・奥歯を並べる、骨格の成長コントロール)
矯正装置料 Ⅱ期 180,000円
(咬み合わせの完成)
調節料・観察料
5,000円 x22回 3,000円x8回
Ⅰ期約2年、Ⅱ期約1.5年+保定管理も含めて
総額 750,500円
《成人:前歯のでこぼこ、出っ歯の場合(見えない裏側矯正)》
初診相談料 1,500円
精密検査・診断料 35,000円
矯正装置料 750,000円
(リンガルブラケットによる動的矯正治療)
調節料・観察料
5,000円 x8回 7,000円 x12回 3,000円x6回
歯を動かす治療2年+保定管理も含めて
総額 928,500円